[概要]
MOTを軸に、経営や技術に関係のあるテーマを広く浅く取り扱った本。
技術系よりもマネジメントや組織論の方面への記載が多い。
ページの問題で仕方はないが、もう少し深く聞きたい内容も散見された。
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[感想]
はじめに、「MOTとは何か」というテーマで書いてある。
技術と経営について、片方を片方に転換させて同一の方向性で考えるという事ではなく、両輪としてそれぞれがどういう役割を持っているのかを考えると書いてある。
確かに、技術と経営という分離したテーマを両輪に添えて扱うのはなかなか至難の業である。
しかし、だからこそ、そのバランスをいかにとるのかについて考える価値があるのだと思う。
個人的に一番面白かったのは、意思決定についてだ。
経営者の意思決定をどのように行うのか、サポートするのかというのは面白い課題である。
そこにはバイアスも入ってくれば、煩雑な手続きも入ってくる。
いくら合理的に決定しようとしても、それらの問題のせいでなかなかたどり着くことは出来ない。
もしも選択がうまくいったのだとしても、決定が正しいのか、その決定のもとで働いた部下が正しいのかもわからない。
永遠に再現性のないものになっている。
このあたりの難しさがあるからこそ、社会科学の必要性があるのかもしれない。
結論的には、社員のモチベーションを上げられる選択肢を選ぶべきなのだろう。
それこそが真のリーダーシップかもしれない。