[概要]
経営学の中では古典的な内容としてポーターのフレームワークなどが定番となっている。
これらは数十年前に開発されたものであり、それ以降経営学として定番な研究は多くない。
この本は、ポーター以降の経営学の著名な発見をまとめて紹介してくれている。
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[感想]
数年ぶりに読んだが、学術的な部分からまとめながらも教科書チックになっていない本であるため、相変わらず読みやすかった。
改めて読むと経営学の難しさを感じてしまう。
再現性のないことを追いかけてることで、再現性や規則性を探そうとしている学問であり、いつもうまくいくとは限らないことばかりである。
そういった中でよりよい動きを見つけ出すといったことは、なかなか骨の折れる作業である。
本書では昨今話題になっているようなトピックに関する論文ばかり掲載されているが、これらの論文も書籍掲載時点では古い情報であり、英語論文がいかに日本に入ってきにくいのかということがうかがえる。
経営学の成果がすぐに実態の経営に結び付くわけではないが、こういった伝達までの時差のせいで、日本の経営が良くなっていかないリスクがあるのであれば、それは大変もどかしく感じる。
産学連携というと、どうしても技術成果を事業に持ち込むことばかり重視されてしまうが、こういった経営学的な成果も日本社会に持ち込めるような仕組みを作ってほしい。