[概要]
ブランドとは何かというところから始まり、事例や分析方法、ポジショニングまで細かく書いてある一冊。
抽象的なことも細かく説明されているため、初心者にも読みやすいように思う。
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[感想]
今までブランドというものを真剣に考えたことがなかったが、この本はいい勉強になった。
特許のように無形な資産であるが、特許よりも明らかに価値を測りにくいのがブランドであるように思う。
では、実際にブランドを成立させるにはどういった方法がいいのか とは思ってしまう。
特許よりも再現性がないように感じる。
事例自体は世の中にいくつもあるものの、n=1の世界であり、再現性がどれほどあるのかが疑わしい。
裏を返せば、再現性が疑わしいからこそのブランド価値かもしれない。
再現性が低いものの、それを再現するためのブランド学であり、だからこそこういった本から学んでいきたいと思う。
個人的にはアサヒビールとキリンビールの売り上げの変化が気になった。
実際にはブランディングの他にも様々な要因が影響しているのではと思っている。
ブランド以外の側面から調査し、なぜ逆転したのかを考えるのが面白いと思った。
過去に聞いた話によると、キリンビールはシェアを取りすぎていたため、独禁法にならないように営業に注力しきれなかった。といった話も聞いたことがある。
ブランド化という側面ではとらえきれない事象が多く潜んでいるような気がする。
この本を執筆した頃(2000年代)と比べ、現在はインターネットが普及しているため、ニッチな商品にも陽の目が当たりやすくなっている。
そういった状態の中でブランドの価値は当時と比べて変わっているのだろうか。
現在では、有名な人は個人でファンクラブを持ち、それを収入にしている状態である。
個人ですらブランドとなる今、ブランドの作り方を学ぶというのはかなり有益なのかもしれない。
悪名で注目を得るのではなく、確かな価値で注目を得るブランディングが流行ってほしい。