MOTの経営学
[概要]
俯瞰経営学というストーリーラインのもとに本を書いているが、これまでの企業分析と何が違うのかが全く不明。
MOT要素もほとんどなく、事例もないためタイトルから期待するような学びを得にくい。
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[感想]
俯瞰経営学やMOTとあるものの、そういった要素はよく分からない。
MOT要素も企業分析の際の特許情報などの無形資産の可視化 というアイデアくらいしか感じなかった。
そしてこれといった事例もなく、計算をしたにもかかわらずどういったデータを使ってどういう結果が出たのか、数字的な根拠が何も残っていないので、情報としての価値がない。
ただの企業価値の評価本としても怪しい内容である。
そういう部分を踏まえて、この著者が政府の会議に参加していたことや、実際に教授として働いていることがよくわらかなかった。
DELLのオーダーメイドPCについて、販売予測の精度が高いからうまくいったと書いてあった。
販売予測の精度というよりも、定番の組み合わせを理解していたからこそ成り立つ仕組みであるように思う。
広い意味では販売予測なのかもしれないが、微妙に納得できなかった。
また終章のほうで、経営者専用のKPIモニタールームについて触れている。
一番ダメな提案であるように感じてしまった。
CADを支援していたからこそ現場を理解しているはずなのに、一番現場から遠ざける提案をしているように思う。
そういった事例は今までいくつも見ている。
私自身も現場ありきで戦略を考えないと駄目であると感じている。
お粗末様でした。