[概要]
ハーバード・ビジネス・レビューに投稿されたサプライチェーンに関する論文を集めた一冊。
事例ベースであり、知識がなくても読みやすい。
サプライの関係ではなく、バリューを連鎖させられる関係まで行くのが一番の目指すゴールであることが分かる。
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[感想]
サプライチェーンについては学ぶ機会がなかったので、事例として面白かった。
今回のロシア侵攻でもサプライチェーンは分断され、一部の物品では不足が発生している。
こういう不測の事態にも対応できるのが一番俊敏性のよいサプライチェーンなのであろう。
単にモノの循環がよくなったところで、意味はない。
関係者が相互に価値を得るような状態にすべきである。
前に聞いたのはファストファッションの多くは廃棄や値引きを行っているという事である。
安価で大量に、簡単に製造できるためとりあえず作ってみて実際に売れ残ったものは廃棄したり、値引きしたりしている。
これはいいことなのだろうか。
持続可能な社会的な意味でもこのやり方は良くないように見えるし、経営的にもこのやり方がどれだけ続くのだろうと考えてしまう。
現状、このアパレルのやり方で誰もが利益を得ているのかもしれないが、本当にバリューがチェーンしているのかやはり気になる。
またこの中では自動車企業の系列の話があった。
系列の参加の企業は厳しく接する代わりにその分きちんと契約をしていた。
現在はアウトソーシングの時代であり、シェアリングの時代であるから簡単に必要な能力は確保できる。
しかし信頼のある関係の下で能力を高めあい、そこでの利益を高めあうことは、アウトソーシングで簡単に相手を選ぶよりもかなり価値のあることである。
モノや関係を持たない時代だからこそ、サプライチェーンやバリューチェーンとしてじっくり深めていくことが大切なのかもしれない。
現在はブロック経済への回帰だとか、向上の国内への回帰だとかが言われている。
今後のサプライチェーンの変化はに気なるところである。