[概要]
20年以上前に出版された本なので内容は古いものの。AV機器などを中心にどのようにデファクトスタンダードを獲得していったかを書いている本。
デファクト・スタンダードの経営戦略: 規格競争でどう利益を上げるか (中公新書 1493) 中古価格 |
[感想]
事例が古いものの、VHSが流行った背景など各種デファクトスタンダードの事例が書かれており、事例の量としては満足ができた。
事例を見ていくとわかるが、優れた技術が市場で一番になるのではないということをわからせてくれる。
顧客は機能ではなく、効用を求めているという基本に立ち返らないと無駄な投資を行ってしまうのである。
結局は利益をどのように上げるかが重要であり、デファクトスタンダードを取ることが問題ではない。
ただ自社技術がデファクトスタンダードになっているという状況は、後続の利益を期待できるように思う。
システムであれデバイスであれ、他のものとのつながりやすくないとデファクトにはなれない。
今は何もかもがネットワークでつながっている時代であり、そのプラットフォームの部分で今後デファクトとなるようなものが増えていくように思う。
ただ、この本では標準化については分かったものの、他の特許戦略についてはあまり書かれていなかった。
他社からの参入障壁をいかにしてコントロールするのかという点は非常に重要である。
実際は特許の内容も含め、標準化やどうすれば市場に浸透するのかについて検討するのがよいと考えている。