技術者のためのマネジメント入門―生きたMOTのすべて
[概要]
入門とタイトルにある通り、MoT的には入門的な内容である。
ただもう一回り簡単な内容の本を読んでからのほうが理解ははかどるかも知れない。
内容はMoTとは何かという話から、組織論、知財、マーケティングなど基本的な内容をおさえているように思う。
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[感想]
MoTに必要な内容をまんべんなくおさえているような内容であった。
またパートによって著者が違うにもかかわらず、本田宗一郎やDELLの事例を共通して使っているように思う。
そのため理解がしやすかったところがある。
また顧客インや技術アウトの考え方はデザインシンキングに通ずる考え方であると思った。
MoT関係の本ではよく見るが、結局技術は顧客の需要をかなえるためにあるものである。
あくまでも顧客にどういう価値を与えるのかという事を考える。
ただ単に、画面がきれいになることが本当に需要なのか、顧客の立場をペルソナにして考えることで見えてくるものもあるだろう。
技術を追い求めるだけではなく、それに価値を感じる人を見つけてこその社会貢献である。
それに似ていて、ビジネスモデルの話も興味深い。
ここでは単純に有名なビジネスモデルの例と、いくつかの技術が載っていた。
情報社会の今、情報をいかに扱うのかという技術がビジネスモデルになる時代になっている。
これまでは製品自体はビジネスモデルではなく、それをどう扱うのかという点で収益を上げていた。
例えば替え刃ビジネスモデルもそうだと思う。
しかし今の時代では、情報を取り扱う技術がそのままビジネスモデルになる。
サービスを提供する技術とモデルがそのまま結びつくということで、製品とその売り方を別々に考えていた時代とどこが大きく変わるのかはまだあいまいなままである。
しかし、技術と価値提供の距離は、製品に対する技術というステップを踏んでいない分、前よりぐっと近くなったのではないだろうか。
最後に、個人的にはプロジェクトに関する知識が興味深かった。
いかにしてプロジェクトを動かすのかというのは重要なことである。
理想論含めたプロジェクト論であるかもしれないが、まだまだ学ばなければならないことが多いように感じた。
IT系に勤めているのでPMBOKの勉強をやってもいいのかなとは思った。
というよりも、プロジェクトはどうすれば成功するのかという点が気になった。