[概要]
元コンサルをやっていた著者が、コンサルで使うフレームワークに依存して経営や人事を考えることがいかに危険かを、その実体験をもとにつづった一冊。
フレームワークの批判ではなく、考える事が大事であることを伝えてくる。
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[感想]
この本を通じて言えることは、どこまで行っても組織は人からできているという事を再認識できるという事である。
人事評価をシステマチックにやるよりも、そばに寄り添って話を聞いてあげる方がよっぽど役に立つ。
とりあえずシステムを入れるよりも、現場に降りて行って話をきちんと聞いてあげることの方がよっぽど役に立つ。
名ばかりのCXOよりも現場のことを理解できている本部長のほうが優秀だったりする。
結局問題はいつも現場にあり、各個人の胸の中にある。
そこを見つけ出すことがどんな調査よりもよっぽど価値があることに思う。
性善説と性悪説のバランスの中で、よりよく労働者をコントロールする必要がある。
単にシステムを置いて解決するようなことなどない。
そんな当たり前だが重要なことを本書では教えてくれる。
一時的な部分を切り取って成功としたり、経営者は現場から上がってくる数字さえ追えばそれで済むというものではないように思う。
大事なのは実際にどういう作戦・戦略をとるかではなく、きちんと現場について考えることである。
私もそういう提案をするときに現場をきちんと見れているのかという点が気になる。
どの企業としても、とりあえずDXといってデジタル化を進めている企業は今後立ち行かないように思えてしまう。
こればっかりはどうしても現場の意見を聞いて、それの補助になるような仕組みを考えなけらばならない。
システムを導入したのはいいもののそもそも効果がなかったり、高価があっても明らかに補助業務が増えたりと成功とは言い難い事例も世の中には多くある。
実効性を担保できないのであれば、コンサルとして活躍することは難しいように思う。