[概要]
IBM復活にかけて内部でどのようなことが起きたのか、成功体験から脱却しどのような変革を起こしたのかを経営陣の話をもとにまとめてある本。
IBMはサービスというものをいかに科学的に考えているのかが伝わる。
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[感想]
企業の内部変革の話はよく見ることがある。
例えばジャックウェルチはどのようにしてGEをよみがえらせ、規模を拡大したのかなどは定番の話である。
それと似た感じで、IBMの内部変革はいかにして起こったのか、そういったことがまとめてある本であった。
組織構造の変革や商品ではなく、いかに価値を提供するかに重きを置く考え方により舵取りに成功している。
そしてこの本を読んでいると、どの企業も結局人材をいかにしてやる気を上げ、成果を出させるのかという事に悩んでいると気づく。
これほど大きな企業であれそうであったのだ。
どの企業も成果をあげさせるために、給料をどうするかや社員に目標を持たせるにはどうするかなど、かなり悩んでいる。
MBOという目標による管理という考え方もあるが、お金と志と何をどうすれば社員は成果を上げるのか これは永久にマネジメントを行う側の問題であると思う。
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またサービスをサイエンスとして扱い分析しているのがIBMの特徴のように感じた。
日本でサービス業というと飲食や観光などばかりが思い浮かばれるような気がする。
しかし実際はサービスも多岐に亘り、それぞれ違った価値を提供している。
サービスを科学するというのは一見難しいように感じるが、そこにITの力をいかに入れて省力化するか、そこがまさにコンサルとしての腕の見せ所のような気がする。
サービスというと、日本では丁寧な接客であるとかに注目しがちな気がする。
精神論ももちろん大切である。最後は気持ちで評価が決まるのだから。
だが、学術的にサービスを科学してどうすればより満足を得られるのかはかなり重要なことである。
人材のマネジメントとサービスのマネジメント、二つのマネジメント問題に直面し、それらの課題を乗り越えることで危機を回避したのだろう。