技術経営論
[概要]
技術経営に関する基本的な内容がまんべんなく書かれている。
マネジメントに興味があるのならこれくらいのことは知っておいてもいいのかもしれない。
新品価格 |
[感想]
過去にも同様に技術経営についてまとめた本を読んでいるが、一番詳しかったような印象を受ける。
技術経営という学問も割と幅の広い研究を行っているのだとつくづく思う。
個人的には仕事の特性マトリクスという欄が面白かった。
初めて見たロジックであり、仕事を多様性という軸で区切っているのが面白かった。
これはSECIモデルに近いような気がした。
多様性が高く分析しにくい部分がSECIモデルでいうところのSにあたるように思う。
完全な暗黙知状態であるように思う。
分析のしやすさという項目はそのまま形式知的な意味合いになると思う。
そして多様性の高さは個々人の頭の中にあってまだ形になり切っていないものを指す。
集団になることで、個々人の頭の中にあるぼんやりの枝葉をとり抽象化することからSECIモデルが始まるのである。
そうなるとなぜ企業は多様性を求めているのだろうか。
国際化して多様なバックグラウンドを持つ人たちを雇い入れようとする話をよく聞く。
幅の広い人材を集めると抽象化のプロセスはどう変化していくのか。
同じバックグラウンドばかりである場合だと客観視の材料は少ないのかもしれないが、全体的にまとめるプロセスが困難になるイメージである。
実際の企業内の知識創造プロセスというのは分析しがいのある内容かもしれない。