欧米先進事例に学ぶデジタル時代の電力イノベーション戦略
[概要]
電力業界のデジタル化の進展により、今後どういった変化が考えられるかがまとめてある一冊。
最新技術だけでなく政策などにも触れており、単純なビジネスモデルの変化ではなく、その背景まで正確につかむことが出来た。
ただ、現在のエネルギー不安の中で実態がどれだけ変わってきているのかが気になる。
新品価格 |
[感想]
電力業界が、今よりももう少し安定していたころの本である。
そのため電力は常に安定的に供給され、その中でいかに価値を見出すのかという部分に重きを置いたサービスばかりが載っている。
現実的には政情不安による電力不足や局地的な寒さ、暑さによる不安定な状態が世界的に続いている。
電力価格の高騰により、一部の事業社は電力自由化から撤退してきている。
どちらにも合わせて思うのが、自分たちで安定的な電力を作れるところは強いという点である。
安定して電力を作ることが出来れば、政情不安にも強くなり安価な電力により産業を支えることが出来る。
安定して電力を作ることが出来れば、自由化の中でも安定して供給することが出来る。
結局はエネルギーを持っている国が強いのである。
日本のクリーンな火力発電を売る機会でもある。
原子力発電も安全に動かせるのなら、日本はかなり強力な道具を持っている。
太陽光発電はクリーンではあるものの、どうしてもパワーが足りない。
一時的なトレンドに流されずまずは安定した電力網を整備したうえで、このような新たな付加価値を議論していくように思う。