技術経営卒の書庫

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欧米先進事例に学ぶデジタル時代の電力イノベーション戦略 

[概要]

電力業界のデジタル化の進展により、今後どういった変化が考えられるかがまとめてある一冊。

最新技術だけでなく政策などにも触れており、単純なビジネスモデルの変化ではなく、その背景まで正確につかむことが出来た。

今後の電力関係を知るにあたって、必須となるような知識が網羅されており、関連分野で働くのなら、ぜひこの内容は理解しておいた方がよいと思う。 

 

欧米先進事例に学ぶデジタル時代の電力イノベーション戦略

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[感想]

 大学院での専攻に関連があり読んだが、非常に内容が理解しやすい多い一冊であったように思う。

技術動向による変化もあるが、そもそもの規制緩和による流れや実際に海外でどのような事例があるかが書いてあり、ざっと目を通しただけでも電力業界の動きを理解できたように思う。

電力事業はインフラであり、すでにコモディティ化している。

今後はただ電気を売るのではなく、それをもとにいかにしてサービスを提供できるかがカギを握ってくる。

現在は請求書をまとめるためやポイントで囲い込むために大手起業が新電力事業を始めているが、将来、真剣に電力サービスを提供することが出来る企業はどれほどいるのかと思う。

またサービス内容だけでなく、新たな顧客価値、つまりイノベーションを起こすことが出来る企業はどれほどあるのだろうか。

モノを買う価値が薄れていく中で、電力業界はどういった業種と組みサービスを提供していくのかを楽しみに思っている。

実際にトヨタは自動運転やEVを予期して、様々な業種と提携している。

日本の発電事業者はこれまで、国内市場にしか目を向けていなかったために今後海外市場をどうやって勝ち取っていくのか。

東京電力をはじめとして、多数出資しR&Dも昔より活発にはなってきているが、電力ビジネスも遅からず外資に食われるかもしれない。

JPOWERは比較的外貨を獲得しているが、欧米諸国の電力会社と比べた場合、圧倒的に日本の発電事業者は内向きである。

まずは国内にサービスイノベーションを提供しつつ、海外へ日本のサービスを売り込んでいってほしいと願う。