[概要]
2010年代初頭の日本の家電メーカーの不況期やトヨタの経営者交代について書いてある。
マスコミ出身の書き手だけあって、「成功していればその人の行動はすべてよし。そうでないなら人格や行動に問題がある。」
そのような書き口になっており、論理的な理解は多く得られないように感じる。
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[感想]
勝てば官軍負ければ賊軍とはよく言い表したもので、この本を通して全体的にうまくいっていないのは経営者のせいであり、ある種人格批判をすることで自分の文章の内容を正当化しているように感じた。
後はマスコミの記事に特有の、具体名ではなく業界関係者などという書き表し方で批判を書いている部分がある。
例えば、「〇社幹部は現社長をこう批判している。」といった様な書き口である。
何の参考にもならない批判である。
仮に事実だとしても、その人の能力不足でそうなっているということも普通に考え得る。
そうでなくても匿名をいいことに、実在しない人間を出して人形劇を見せられているのかもしれない。
事実も並んでいるのは確かだろうがどこか批判的に書かなくてはならないためか、全体を通して納得感が少なかった。
当時のニュースの時系列を追うのにはいいかもしれないが、この内容を真実として理解するのはどうかと思う。
この本の中で一番ほめていた日産の経営も現在は火の車である。
事例として挙がって入るものの、社内政治に長けていても企業は成長しない。 というごく当たり前のことしか抽象化できなかった。
個人的にはシャープの没落の原因は本当に緊プロをあまり行わなかったからなのか?と考えてしまった。