技術経営卒の書庫

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ソニー、パナソニックが束になってもかなわない サムスンの最強マネジメント

[概要]

マネジメントの本ではなく、人事の紹介本。

ときおり自分の経験談が入っているが不必要に感じる。

マネジメントの施策も成功理由との整合性として納得が難しい点が多い。

 

ソニー、パナソニックが束になってもかなわない サムスンの最強マネジメント

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[感想]

タイトルの束になってもというのは売上高などの話であり、マネジメントがとびぬけて優れているという印象は受けなかった。

当時からしたら先進的な施策もあるかもしれないが、そうだとしてもサムスンの成功理由につなげるには、この本の内容だけでは不十分である。

人事がどう良いから新たなイノベーションが生まれたのか まで掘り下げてもらえると読みごたえがあったように思う。

紹介された主な人事制度は人材を大切にするという事や地域専門家制度、企業内大学である。

GEも似たような施策は当時すでに行っていたはずである。

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錦鯉の話は本筋とは別で興味深かった。

1匹を出荷するのにここまで間引いて丁寧に育てているとは知らなかった。

選りすぐりとはこのことである。

 

またT字型人間の話については今ではよく聞く話である。

深い専門性と様々な知識があってこそ、世の中を見渡すことが出来る。

基本中の基本であるが大切さを感じた。

 

技術に関する話として象徴的だったのは、退職して外部起業した元社員を再び受け入れた話である。

いかにも感動話、懐の深さといった感じで話が広げられていたが、明らかに起業先での新技術に脅威を抱いていたように思える。

こういった古株の囲い込みも含めてマネジメントであり、技術戦略であるというのなら大したものである。

 

また最後にあとがきとして、韓国のアブダビ原発竣工の話が書かれていた。

日本の若者の在り方がダメで、一方韓国の在り方が評価されたのではとそこには書かれていた。

その話は事実かもしれないが、実際に韓国の原発は環境に合わせてオーダーメイドするのではなく、プレハブ住宅のように決まった形式で作るものである。

韓国の土地柄にあったものをアブダビに作ることでどのような弊害が起こるのかはこれから注目すべきである。

中東も戦争が多く急所になりかねない。

その中で風水害的に不足の多い原発を建設すれば危険極まりない。

どうなるのかが見ものである。

また一説によると、有事の際は韓国軍の派兵があるという契約も同時にしたらしい。

事実であれば、韓国原発の何が優れていたのかが霞んでしまう。

ともあれ事故はないに越したことはない。

 

最後にサンテグジュペリの海へのあこがれの一節は良かった。

期待を膨らませ方向付けをすることをリーダーシップとするのは、自分の中でのリーダ―シップ像とは少しずれているが、これはこれで納得できた。

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