[概要]
ソニーの経営陣を悪役とし、その経営手腕の批評をしている本。
半ば愚痴めいた書き方になっている。
経営陣からみたソニーの歴史以外にも、ところどころにある人生哲学のような内容に深みを感じる。
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[感想]
概要に書いた通り、経営層批判をもとに話の全体が構成されている。
この著者の独自の意見がちりばめられており、そこが面白いところの一つでもある。
成果主義とは、自分の成果を自分で評価するという話を初めて聞いた。
周りの人間でなくとも、その成果を受け取るであろう人が評価するものであると思う。
この考えについては、よく分からない。
またどんな交渉でも相手のいう事でなく、相手の行動を信じるというのは実際にソニーの看板を背負って交渉事を繰り広げてきた著者ならではの考えであると思う。
併せて、シックスシグマはサービス業には使えないという意見も疑問になった。
実際にGEではシックスシグマをもとにサービスの改善をしている。
実際にどれだけ有効なのかは産業にもよるだろうが、果たしてシックスシグマはどれほど有効活用できるのだろうか。
ソニーの幹部は現場を知らないという批判を書いていた。
実際に経営者と労働者が対立したために倒産した企業の話があった。
またGEは現場の話を吸い上げる仕組みを作り上げていた。
情報社会になっている今、現場の不満や情報を経営に生かす仕組みづくりの必要性を改めて感じた。
最後にフェリカの標準化の過程を知れたのがよかった。
いかに国際標準をとるのが難しいか、高度な戦略が求められるかを知ることが出来てよかった。
現在フェリカがQRコードにその立場を狙われているのは、もしかしたらソニーの権力争いのせいかもしれないと考えると、よい技術が必ず生き残るわけではないという厳しさを感じる。