ソニーの革命児たち―「プレイステーション」世界制覇を仕掛けた男たちの発想と行動
[概要]
プレイステーションの誕生の陰にあったエピソードを紹介している。
メインの登場人物は久夛良木という方であるが、制作の指揮を執った人物が複数登場している。
開発以外にもマーケティングの話や任天堂との確執、組織内での調和などにも触れられており、ストーリーとしてたどっていくのは面白かった。
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[感想]
読み物として、もしくは経営系の授業のケーススタディとして面白題材であるように感じた。
技術優位という点だけではなく、市場をとるために販売戦略や原価低減をしつつライバルを駆逐する戦略など、勝つために様々な工夫を凝らしていたという点が伺える。
しかるべくして成功したように見えるが、実際にどこまでが思い描いたシナリオ通りだったのかというのも併せて気になるところである。
ソニーに対して批判的な本を読んだことがある。
今回のケースはどちらかといえば持ち上げている本である。
物事にはいろんな側面があると思うので、ソニー関係の本はこれからもまた読んでいきたい。
プレステ2からはDVDプレイヤーとしても使えるなどマルチメディア的な用途として販売されているが、当時はあくまでもゲーム機としての販売を考えていたらしい。
どこからその流れが変わったのかが気になる点である。
プレステ開発時にはどこからメモリを仕入れるかという点にこだわっていた。技術要件的に満たされているメモリを獲得するには当時は難しかったのだ。
現在も世界的な半導体不足でメモリの生産が追いついておらずプレステ5は販売台数が思ったよりもふるっていない。
理由はともあれ、当時と同じ心配が起きているのである。
これは予期せぬ事件なのか、それともプレステに比べて戦略のとげがなくなったのか。
それはしばらくすれば分かるようになるのかもしれない。