ソニー 破壊者の系譜 ―超優良企業が10年で潰れるとき
[概要]
ソニーについての話は基本的に経営層批判である。
残りは経営論的な部分が多いが、なかなか伝わりにくい内容であると感じる。
作中に同様の形式の図を用いていくつかの種類の理論展開をしているが、理解が難しいところがある。
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[感想]
前作に続き経営層への批判が多かった。
ただ今回は前作よりも経営論に話がよっているように感じた。
この著者の講演は依然聞いたことがある。
その時は事前交渉の重要性を説いていた。
自分の意見を通すときは賛成票の1.4倍の人間を口裏合わせで事前に仲間にする必要がある。
この話はいまだに覚えている。
事前交渉の必須事項であると思う。
会議の前に既に会議は終わっているのである。
またビジネスの在り方として、製造の上流から下流まですべて統合するのが、永続的な視点であり良いことであるとしていたが、正直かなり疑わしく感じる。
現在企業の中央研究所の廃止が世界的に広がっている。
NIH精神により、いかに技術を有効に使うかが鍵である。
それと同様に、物流が発達した現在、いかに世界中から買い付けるかが重要である。
社内の虎の子、重要技術の流出がなければ、必要に応じて外部企業から安く調達するのは必要な手段であると思う。
大きすぎる企業が身動きできずに失敗する時代である。
そう考えると、この著者の発言はいかがなものかと考えてしまう。
社長が本気で何かを隠そうとしたり、間違ったことを意図したりすれば社外取締役が発見することは困難である。
という文言が途中にあった。
現在いろいろな企業で社外取締役の設置が求められている。
お友達取締役がどれだけあるのかは不明だが、取締役の効果がどれほどあるのかは考える必要があるように思う。