なぜビジネス書は間違うのか
[概要]
ハロー効果によって歪められた研究成果やビジネス書に対して警告を行っている本。
事例を知るというより、一つの考え方を提示してくれる本。
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[感想]
ハロー効果に抜け出せずに必要以上に脚色されたストーリーをもとに分析したビジネス本があるが、終始それらを否定していた。
実際にこのように歪められた分析結果を、理解しやすいからという理由だけで信じるのは危険であると思う。
自分で分析や研究をする際にもこの部分は気をつけなけらばならず、因果の特定というのは骨の折れる作業であると思った。
分かりやすい単純な答えを求めるのではなく、常に考え続けることが経営には欠かせないのである。
前に読んだ隠れた人材価値のストーリーにいかに自分が魅せられていたのかを気付けた。
きっと最後に書いてあったIT起業家の話は、現実に戻してくれるために必要なものであったのだと思う。
また、この本の中では破壊的イノベーションを取り上げていた。
事実そのように市場が塗り替えられてきたことは複数回あった。
しかしこの事実は本当にモデルとして言えるのだろうか。
これも分かりやすいストーリーを求めて、このような考えをとりあえず使っているのではと思ってしまった。
本の中では破壊的イノベーションを当たり前としていたが、ハロー効果関係なく、この理論の正当性を示さなければ自己批判の本になってしまう。
実行の話も面白かった。
抽象的な目標を立て実行した気になっていることは誰にもよくある気がする。
ただ実行もキャンペーン的に実行をするのでは良くない。
組織文化に根付かせなければ、その真の成果は得られないと思う。
最後になるが、チェンバースはNIHを避けciscoを成長させた。
外部に目を向け外部の技術を持ってくることは、ある種の調達購買行動に感じる。
現在ではインターネットにより、様々なところから安価で豊富な技術を調達できるので、このような取り組みや理念が会社にあることは重要であると思う。