創造経営の戦略
[概要]
知識社会、経験経済、創造的なワークプレイスなどのテーマを広く浅く網羅した一冊。
それぞれのテーマに関して学んでいきたいならちょうどよい配分であると思う。
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[感想]
今までいろんな本から吸収してきた知識を広く復習することが出来てよかった。
イノベーションのジレンマに関して大企業は、アイデアはたくさんほしいけど成果の出そうなものしか挑戦しないという改善思考の泥沼は面白かった。
結局組織の人間の多様性が失われ同質化すること、それによって改善思考しか生み出せない組織文化になっていることが一番の問題なのであろう。
アブダクションという方法のまとめが分かりやすかった。
演繹は命題に基づく分析、帰納は複数のデータから法則性を見出すという意味の普段は聞きなじみのない言葉である。
異なる証拠からアブダクションという飛躍的な考えを産み出し、演繹や帰納により精査する。
このアブダクションを生み出す方法を学ぶべきであるのかもしれない。
他にも経験経済やSECIモデルなど以前読んだ本の内容が簡潔にまとめてあった。
最後になるが権限移譲の功罪という話が面白かった。
「何をやるかを任せる」と「どうやるか任せる」二つのタイプの権限移譲を間違えて行ってしまうと、イノベーションのジレンマのような内向きな組織になってしまう。
部下の自律性を保ちながら権限移譲をいかにして行うかというのは、組織の未来を潰すことになりかねず、重要な問題である。
そして自律性と統率性を併せ持つ人材を育むことが組織には必要なのである。