[概要]
プロフェッショナルの定義をもとにどういった姿勢で仕事に取り組むべきかを述べている本。
ロジカルシンキングの大切さや議論をする難しさなどを説明している。
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[感想]
まず最初に目に留まったのは権限移譲の難しさであった。
「何をやるかを任せる」と「どうやるか任せる」二つのタイプの権限移譲という点で権限移譲の難しさを説いているのは以前に見かけたが、部下としてもその能力を持ち合わせていないのにないものねだりをするのはいただけない。
成長の機会である権限移譲は投資であり、きちんと必要な成長をしてくれる部下に権限移譲を行う必要がある。
顧客には社員の成長は関係ない。それがプロフェッショナルとしてまず考えるべきことである。
それに併せて正しい顧客を考える必要がある。
成果は常に外部にあり、顧客の存在により給料が発生している。
しかしB2BなのかB2Cなのか、果たして誰が真の顧客なのかは常に考える必要がある。
真の顧客を大切にすること、またそれ以外の人々を、いわばシェアの外を、どのように自社に取り込んでいくのかを考えなければならない。
顧客について考えることは企業価値を最も向上させる方法であると思う。
またアンラーンという言葉が出ていた。
物事は進歩によりどんどん陳腐化していくためこれまでの学びを捨てて積極的に新しいものを獲得しなければならない。
創造的破壊とも考えられるし、同じものにこだわり続けていても成果はないという意味にも捉えられる。
深く学ぶことと、あえて学びを捨てる事、両方の性質が企業にも個人にも求められている。
自分を客観的に見て、自己変革を絶えず行っていく必要がある。
最後に、顧客に対して成果で報いる事により、プロフェッショナルとしての職務を果たすというスタンスで書かれた本である印象を受けた。
倫理観をいかに保つかという部分はあまり触れられていないように思う。
現在はSDGsなど利益以外にも倫理観のある事業運営をすることが求められている。
倫理観をもつプロフェッショナルになる方法、成果を上げる以外にどうすべきなのかを詳しく聞いてみたい。