[概要]
破壊的イノベーションが既存の市場を奪ってしまうことがある。
これは持続的イノベーションにより既存の市場で勝利していた大企業には大変な痛手である。
多くの破壊的イノベーションは新規企業やベンチャー企業によってもたらされている。
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[感想]
ベンチャー的な素質、新しいものに取り組みやすい気質がある企業のほうがどうしても強く見えてしまう。
組織が出来上がってきて官僚的になるにつれて、より最適な運営になっている。
適用力があることと適用することは違う みたいな言葉を聞いたことがあるが、社内にルールを定め皆がそれに従うにつれて、適用力を失ってしまう。
型にはまることは大事だが、はまりすぎると他に合わせられなくなる。
そうなるとやはりベンチャーやスピンオフした人たちがやる方が合理的に見える。
もしくはルールを破れるような特殊な権限を与えなければならないのであろう。
自社内の形式的なルールと個人の暗黙的な考えをぶつけあわせていく必要がある。
社内で生まれたアイデアを育て上げる仕組みがあれば、対応できるのかもしれない。
その時には組織はどうなるのだろうか。
縦割りでもマトリクスでもない組織になるのではないか。
個人の能力はどうなるのか。
誰がそのアイデアの良しあしをまとめるのか。
考えられることは多くある。
この本の中ではPDAが事例として出てきた。
実際にPDAを開発しようと躍起になっていた人の話を見ると、また視点が違ってくるのかもしれない。
この人は市場を見据えてジレンマになるべく動いたのだろうが、他の企業に押しつぶされうまくいっていなかった。
その点はマイクロソフトなどが当時大企業にあったにも関わらずきちんと見るべき目を養っていたのだろう。
となると、マイクロソフトではどのような仕組みでジレンマを起こさせないようにしていたのかが更なる疑問になる。
彼らはどうやってやってのけていたのだろうか。
今もできているのだろうか。