[概要]
NECフィールディングという企業の取り組みを通じて顧客満足とは何であるのかを考え、紹介している本。
この本ではサービスとは何かを再定義しようとしている。
サービス品質革命 「顧客とともに、CSを超えて」NECフィールディングの挑戦! 新品価格 |
[感想]
当たり前のようにサービスという言葉を使うが、割と意味があいまいである。
多くの場合は接客の良しあし、気が利くかどうかでサービスの品質を考えている。
この本の中で気になったのは、ある銀行頭取の発言の「銀行はエリートではなくサービス業である」という発言である。
著者は揚げ足取りのように、となるとサービス業はエリートではないのかと返している。
実際に私自身接客業はパート従業員などが多いイメージを持っている。
またサービス業は労働集約的で生産性が低いと言われている。
本当に顧客の満足を追求するためには、ただ愛想よくするだけでは無理である。
無形の価値を提供するからこそ本当に相手の求めているものを見つけ出す目が必要である。
日本では無形のものは価値が低く見られがちであると思う。
サービス業もそうであるだろうし、虚業として金融や商社を揶揄することもある。
実際に提供している価値を簡単に判断できないからこそサービス業は難しい。
ただ結局、支払った対価以上の満足を与えなければならないというのは、どの産業も同じであり、サービス業は製造に比べて測りにくいというだけである。
この本では教育制度などに目を向けていたが、提供する価値を磨き上げるのであれ、より新たな価値提供を考えるのであれ、頭をひねるところはいくらでもある。
単純な愛想の安売りでないサービスを実現するにはまだまだ工夫も改善も必要なのであろう。