コンテナ物語―世界を変えたのは「箱」の発明だった
[概要]
コンテナはどのように生まれて広がっていったのかが詳細に書いてある本。
コンテナを商業的に普及させたマクリーンの行動を中心に、海上輸送産業全体の動きが記載してある。
コンテナが普及したことにより世間にどういう影響が起きたのかを、様々な立場からまとめてあるため、単眼的な解説になっておらず分かりやすい。
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[感想]
スエズ運河の事故を思い出しての再読書。
実際に本の中にはエバーグリーンの名前もあり、当時は今よりもずいぶん少ない数のコンテナしか運んでいなかった事実もあり、企業は存続しても時代の流れ、技術の進歩はすさまじいものであると思った。
この本の中ではコンテナが進まなかった要因として労働組合を挙げている。
実際に多くの人間が港を去っただろうし、その中で町の景観も変化してきただろう。
そういった町づくりの変化や技術の変化などを追うのは面白いように思う。
マイケルポーターの本の中でも市場の立地やクラスターなどについて書かれていた。
コンテナの普及で距離の問題は急速に変化している。
コンテナ前後の市場の変化、町の変化というのは考えておもしろいだろう。
イギリスの港湾都市はどんな影響を受けて、どう変化したのだろうか。
また「機械化・近代化協定」も興味深い。
自動運転などにより職を失う人も多く出てくるだろう。
日本は人口減少しているので、そういう意味では最適かもしれないが、それでも現場の人間には常に負荷が大きい。
こういった過去の事例から学ばなければ、今以上にIT化・産業化が遅れてしまうのではないか。
物流は産業には不可欠である。
このようにコンテナリゼーションは社会を変えたが、今後どのように社会が変化していくのかというのは見ものである。
決してその変化は避けられないだろう。