[概要]
都市再生というテーマで職住分離から水俣地域の環境再生、京都の文化など幅広く扱っていた。
これからテレワークにより、住み方と働き方が変化するように思う。過去の変化を知っておくのは面白いように思う。
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[感想]
初めて読むタイプの本だったのでいろいろと面白かった。
道に対する考え方や、水俣地区の産業開発をどう行っているのかという事は普段の自分では考えもしないだろう。
京都の文化から公害についての考えをするという機会もなかっただろう。
個人的には暗黙知はフェイストゥフェイスの距離のほうが伝達しやすいというのが面白かった。
言われてみれば当たり前であるが、個人同士の雰囲気はより身近な存在であるほど伝わりやすい。
今現在はテレワークが推進されている。
この本の中でも度々職住の関係などに触れていた。
単純に考えて出勤時間がないのならその分自分の時間が増えていいというのがテレワークをする人たちの考えであると思う。
しかし実際にはオンとオフの境界があいまいになり、終業後でも電話やメールの対応をいやおうなしにする機会が増えているのではないかと思う。
少なくとも、終電を言い訳に退勤することは出来なくなった。
結果的に就業時間が伸びているケースがある一方で、今度は暗黙知の共有もできなくなるとなると組織はますます変化していくような気がする。
プロジェクト型組織というべきか、必要な時に必要に応じて人材を獲得するという事になる。
人材でなくとも単発的にそれぞれのスキルさえあればいいのかもしれない。
社内で暗黙知を煮立ててそれをもとに新しく開発を行う、制度を変更する機会というのは、今後テレワークによってぐっと減るのかもしれない。
一部の人の都合に従う形で暗黙知ベースに方法論が組み立てられる。
参加するときには各個人の持つスキルや経験などを間借りする形で構成していくことになる。
世界中から必要な人材、スキルを持ってきて組み立てられるのは大きな進歩であるが、それを統合的にお超える人材というのはとても貴重になる。
今回の本では職住分離や統合、それによる知識のスピルオーバーをはじめ興味深いテーマが多くあったように思う。
これまでは生産のために田畑や工場の周りに住むのが一般的であり、地方自治体もいかに工場を誘致して産業を盛り上げるのかという事ばかりを考えてきていた。
しかし時代は変化してきている。
職住の関係が知識社会に移行しつつある今どのように変化していくのか、個人的にすごく興味深いと思う。