[概要]
問題を解決するには根拠のない空想や理屈の並べ立てだけではなく、現場現物主義になるべきであるという事を説いている。
それになぞらえた著者の経験や考えをまとめてある。
問題の解決方法ではなく考え方のスタンスについての本である。
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[感想]
この本にあった、仮説検証型思考というものは時々感じることがある。
答えありきで物事を考え、そのストーリーにつじつまが合うように証拠を集めていく。
仮説とは本来いろいろな条件を集めて、そのストーリーしかありえないという状態であり、その状態から検証を重ねていくことで分析を行い深く探索することが出来る。
ここでいうところのマスコミの「仮説検証」はその真逆の思考である。
とっつきやすく理解しやすいがために、深く考えず自分もよく騙されている点があると思う。
気をつけたい。情報リテラシーの一つである。
沖縄では人件費の安さからコールセンターが多いという話を聞いたことがあったが、そのきっかけを作ったのがこの著者であることに驚いた。
ステンレスの冷間鍛造の話を聞いて、ニンテンドウの開発を思い出した。
枯れた技術の水平思考 という発想によりニンテンドウは成功した過去を持つ。
新しい技術だけではなく、目的に応じて必要な技術を用いる判断が出来るのが立派な技術者であると思う。
味噌からみる顧客心理という話は面白かった。
理屈を立てるばかりではなく、結局現場に出て物事を考えることでしか達成できないことも多いのだと思う。
偶然なのかもしれないが、面白い考えだと思う。
そして仮説検証の話以外はすべて現場現実主義というこの本のテーマになぞらえたストーリーである。
状況の変化から最適な方法、次善の策を用意し行動する必要がある。