[概要]
Twitterやブログなど、個人間のやりとりがネットを通して普及した社会において、それの有効活用について説いている本。
ソーシャルメディアでなくてもいいような内容も多い。
中身の半分以上が、事例としてソーシャルメディアに関する話である。
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[感想]
ソーシャルメディアの発達により企業の在り方、企業像が変わったというふうにとらえそうであるがそれは間違いである。
顧客との付き合い方に変化は出たものの、いつの時代も相変わらず企業の成果は常に外部にある。
この本の限りでは噂などの広まり方が昔よりも早くなり、その発信源が目に見えた形で増えたという印象である。
ただそうだとしても、発信源が増えたのであればそれを有効活用しない手はない。
個々の発信力は増したが、それは知識社会の移行に伴ってフラットな組織への構造変化が求められていることとは必ずしも関係はない。
どちらかといえば、個々の発信力よりも個々の世に触れられていない能力や需要に価値がある。
発信力の有無自体は情報の価値が増す理由にはならない。
むしろリナックスを作り上げた集団のように、個々の小さな能力を掘り起こしたり、マーケット調査で意見を得やすくなったことに価値がある。
重要なことは組織内で、個々人から発信された情報に触れる感度と正誤判断し結論を導く能力である。
たくさんの発信源から集めた雑音には価値はない。
宣伝をせずに物が売れるようになることが、究極のマーケティングであり最終系である。
それに近づくためにも外部の力をうまく使う必要がある。
最後に一部意味のないように感じる表があった。
例えばブランドエッセンスとブランドパーソナリティの図は、4象限に分けているのに上下に関する部分しか言及はされていない。
はじめから箇条書きで済む内容をわざわざ図示すると誤解を生むように思う。