[概要]
ジョブズの行ったイノベーションを7つに分類し、各内容ごとのエピソードを添えた一冊。
ジョブズのエピソードの他にも一般的な成功事例も挙げてあり、ジョブズと他の事例でおよそ半々の内容になっている。
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[感想]
その他の事例は最近のものが多く、見ていておもしろいものが多かった。
ただそれらの事例がどれほど、ここで述べられている理論に当てはまっているのかも気になった。
例示された要素のうち一つでも当てはまれば事例として挙げられているような気がした。
もう少しそれらの事例が本当にそうなのか厳密に書いてもらえると、ジョブズの話というメインからはそれてしまうが、より濃くかつ説得力のある内容になったと思う。
今回の分類は、
1:キャリア
2:ビジョン
3:考え方
4:顧客
5:デザイン
6:体験
7:ストーリー
という7つの方法になっていた。
ドラッカーが「成果は外部にある」と度々述べているが、こういった内容と本書の内容は重なるところがあるように思った。
あくまでも顧客志向という言葉は、ターゲットにした相手の満足を得るためではなく潜在的な受容を満たす必要がある。
この「成果は外部にある」という、たった一つの言葉でこれらの方法論の半分は説明がつくような気がする。
本書で挙げられていたジョブズの事例も、よく考えると行動の根っこの近いものが多い。
またビジョンに関する話は、いわゆるリーダーシップの話と関連があるように思う。
外部に成果は常に存在するため、それを得るためにそれぞれがそれぞれの得意分野でリードしまとめ上げていく、これがまさしくリーダーシップである。
似た話もまたドラッカーがしていた。
しかしそれを組織の中に自然に引き起こしたことは、なかなかカリスマ性が強いように思う。
ジョブズの素晴らしいところは、このような体系だって語られるような話を、本人のふるまいですべて完結している点であると思う。
何が求められているのか、そのために組織としてどう動かなければならないのか。
それを独学で得て実際に成功を収めていた。
読了後、改めて感じたのは、理論がどうこうではなく、それを実際に捉えて大成させたことへの偉大さであった。