[概要]
IoT時代が来ることを想定し、過去のプラットフォーム戦略をから学びを得る事で備えようという内容。
理論が中心で、事例をもとに説の根拠を示している。
IoTについてはコラムとして全体の2%くらいしか書いていない。
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[感想]
専門用語が多くその説明も章末に全て一括でまとまっているため、すらすら読むことは難しい。
コラムも文章を変に区切る位置で無理やり入っているため、同じ話の続きなのにページを跨いで読むことになった。
温故知新とし、過去の戦略から学ぶことを本の肝としている。
もっともそれが分かっていれば実際にビジネスを先行してできるのであるが、実際にIoT時代になるとどのようなプラットフォームが考えられるのかの根拠は全くない。
個人的にはインテルのプラットフォーム戦略も根本的には同じようなものであったと思う。
インテルについては下記参照。
ある製品群のアーキテクチャ内の一角を代替の利きにくい自社の製品で支配し、そこを中心にコントロールしていた。
どのようなパーツを選んでもそのプラットフォームに乗っかることで多くの利便性を得られるというのは非常に心強い。
例えばJAVAは実際に階層に介入して、OS上を動く製品などを支配していた。
インテルもCPUを支配し、パソコンの核になっていた。
新たな階層性を生み出しながら、自分の支配的な立場を作ることはとても重要である。
問題はどうやってマネタイズするかである。
今回の事例はマネタイズがうまくいっていたのかが疑問である。
そこがプラットフォーム製品の難しいところであろう。
基本無料などでプラットフォームとしてのすそ野を広げるのはいいが、どうやって稼ぐのかまでを視野に入れないとこの戦略は困難なものになりうると考える。
知財の標準化戦略と同じで、標準化して市場を広げるだけでなく、自社のコアコンピタンスを活かしてきちんと収益を上げる仕組みづくりが必要である。
やはり知財戦略とプラットフォーム戦略は似ているように感じた。