技術経営卒の書庫

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イノベーターの条件―社会の絆をいかに創造するか (はじめて読むドラッカー (社会編))

[概要]

イノベーターの条件というタイトルながら、いかに経済的価値を得るか、マネジメントするかといった話はしていない。

基本的に歴史や政治体制の分析が描かれている。

そこから読み取れることは、時代の変革をイノベートするための条件である。

この本のタイトルを「イノベーターの条件」ではないというのは間違っている。

イノベーターの条件―社会の絆をいかに創造するか (はじめて読むドラッカー (社会編))

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[感想]

この本には経済的優位性を得るためにイノベーションを起こそうといったことは一言も書いていなかった。

マネジメントの話は何一つない。

基本的に歴史分析と政治・民衆の体制分析である。

○○主義を学ぶことで、リーダーとしての役割を学ぼうというものでもない。

タイトルからして違和感を感じるかもしれない。

しかし経営学のような社会科学は、過去の事例などをまとめて一つの方程式を生み出す学問である。

事例や出来事の中から共通要素を取り上げ、傾向を分析し一つの流れ、モデル、方程式としてくみ上げる必要がある。

例えば心理学では、人の傾向を分析しモデルや行動パターンを見つけ出す。

この本も同じであろう。

これまでドラッカー本人が見てきた社会の動きをドラッカーなりにまとめあげてある。

この本はそこから何かモデルを組み立てることが出来る一冊である。

組み立てた像から「穴」を見つけ出し、そこから価値を与える組織を産み出せればそれが企業になる。

例えばNPOは利益を目的としていないだけで、人々に価値を与える組織になっている。

実際のマネジメントとは、その人々に与える付加価値の大きさの有無でしか違いがないのかもしれない。

もっとも、そう簡単にモデル化は出来ないため、あくまでも本を読みながら想像する程度になると思う。

過去のモデルから今後のモデルを考えることは重要である。

環境や社会情勢を理解することで価値を産み出すことも、時代を扇動することも可能である。

この本はそういったモデルを理解することが主軸である。

様々な価値観が世の中にはあふれ変化している。人種差別は戦後よりかは改善しただろう。

LGBTなど少数に対する意見も増えてきた。

時代が変わってきている。

それを理解し、社会に価値を与える存在が、社会的にも経済的にもイノベーターには不可欠である。

 

またモデル化は非常に重要である。

元芸能人の島田紳助さんも自分が売れたのは社会の情勢を読み、どの層を狙うか作戦を立て漫才をしたからであると言っている。(youtubeにそういった発言をされている動画があります。よろしければご覧ください。)

自分の成功は漫才だけではなく、商売でもうまくいくかを試すため、分析し飲食店などを実際に経営している。

漫才と飲食店のモデルが同じであるとは限らないが、そうやって環境を読み思考することが重要である。

今後も本を読むことで知識をつなげ合わせモデル化し、自身が行動する際の成功を得るきっかけになればと思う。