[概要]
人口成長と経済発展について、過去の論文をいくつかのテーマごとにまとめた一冊。
日本の少子高齢化についても20年以上前から議論しているようだが、その結果は発揮できていないように思う。
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[感想]
2000年代初頭から議論になっていた少子高齢化はまだ何も解決していないところをみるに、政府の無策にあきれると同時に、この本に載っているような研究成果は本当に社会に価値をもたらしているのかな と思ってしまった。
社会科学はこれまで起きた現象からもっともらしい法則を見つける学問なので、どうしても仕方のないことではあるが、学問と政治と早急に手を打ってほしい問題である。
この本の中ではいろいろな学説が紹介されているが、それは技術が発達する前の段階について調べて分析されたものであり、技術が発達し、飢えや病気への耐性がついてきた現代では本当に正しいのか とつい考えてしまう。
技術が労働性を向上させ、それにより食料が増加し、人口が増加する などのサイクルが書いてあったものの、現代の日本では食料が十分にいきわたっているため、同じ論法で人口成長について語るのは当てはまらないように思う。
今の日本のような人口減少局面に入った国や地域について、いかに人口成長をさせるのかという研究は今後増えていくだろうが、高齢化による人口減少が発生した国は数が多くないように思う。
そのため、人口減少に関する研究もまだまだ十分には行われないように思った。
日本では女性の労働率が上がれば一人当たりの所得が下がるなどの結果もあったが、それは使っ他データの時代が古く、より正確には数十年前の女性は教育も男性よりも満足に受けてないことや嫁ぐ前提で責任のない簡単な仕事をしていたのではないかと考える。
そうなれば女性の給料は低くなるし、そんな女性の労働率が増加すれば一人当たりの所得は減ってしまう。
因果がよくわからないような統計結果もいくつか載っており、どこまで正しいのかわからないところもあった。
また、計算によると380億人から480億人の人間を地球が扶養できるというのは途方もない数字で笑ってしまった。
現実的に良質な土壌を作れないと無理であるのは分かるが、そこまで大規模の人間を地球が扶養できるとは思ってもみなかった。