技術経営卒の書庫

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「価格革命」のマクロ経済学―流通構造変革の実証分析

[概要]

20年以上前に書かれた流通形態やそのマージンなどをマクロ的な視点からとらえた本。

いくつか数式を用いた論理的な部分があり、そこが読みにかもしれない。

また今では名前が変わったり項目が変わったりしているような政府統計も多くあると思われる。

そのため計算の再現性はどれだけあるのかわからない。むしろ当時より明確に結果を出せるかもしれない。

「価格革命」のマクロ経済学?流通構造変革の実証分析

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[感想]

古い本であり今では道路わきにユニクロヤマダ電機が出店することが当たり前になっているが、当時はどうやら少し違ったように思う。

時代の変化に合わせてモノの売り方も変わっていき、経済の分析も変化していっているのだと改めて思い知らされる。

 

当時の日本では。ここでは「二重構造」と書かれていたが、必ずしも大規模になると効率的になるという法則はなかったらしい。

もっとも会計的な違いもあるだろうが、小規模なのに高効率というのは意外である。

その時の高効率の理由を突き止めるのは重要かもしれない。

住宅街と商店街の中で地域の結びつきを得ながら商売をしていたからこそ、そのような収益効率になったのかもしれない。

 

また土地に起因するバブルの話も面白かった。

市場に素人が参入したことで、適正価格のずれが生じ土地にバブルが出来た。

玄人の持つ過去のノウハウが利かなくなった市場は、素人の勢いによりドンドン膨らんでいきやがてはじけるのである。

こういう見方は時々聞くが、今の株式市場がどんどん膨らんでいるのを見るとあながち間違いでもないかもしれない。

もっとも今は金融緩和により膨らんでいるのだとは思うが、誰もが株に興味を持ち始めたからこそ素人の勢いに玄人がついていけなくなるかもしれない。

 

この本の最後に、政府の規制によってマーケットは変化する、いわば政府はメタ・マーケットであるとしてる。

こうした中で政府は銀行の規制緩和を行い、郵政、電力、最近では携帯料金、古くは鉄道などの規制緩和を行ってきている。

短絡的な成果だけではなく、長期的に成果を上げる政策が望まれる。

一貫して政府の持つ影響をにらみながらの内容であるからこそ、このようなまとめが重く感じる。

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