[概要]
日本が現在衰退していっている理由を、細かく分析されたデータをもとに提示している本。
数字が多いため説明も納得のいくものであり、読んだ結果仮に反対するのであれ、ひとつの理屈として得られるものがあるように感じる。
シリーズ化されており、私にはそのうちの2冊目だが、どちらも本の方向性は同じであるように感じる。
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[感想]
データを分析するということが意外と難しいといったことを改めて感じた。
議論をするときは表面的な数字ばかり追いかけてしまい、大まかな流れを捉えてそれでよしとしている。
楽観的であり、思考停止である。
例えばこの本で度々なされているように、「国民一人当たりならどうなるのか」というちょっとした変化からその本質が見えてくるように感じる。
実際、国民一人当たりで考えた場合は他国と比べて優位性はなかった。
この国が今後どうなるかはこの本に関係なく、どれだけの人が現実を感じるか、気づけるかである。
ではどうするかまでは、本の中では強く言及されていないが、それが分かるならとっくに日本は再び成長している。
身だしなみみたいなもので、さりげなくでもうっかりしているところを気づかせてくれる人はそれだけでありがたい存在であったりする。
この本の話は国の方向性であるが、個人の努力も当然必要である。
経営者や政治家ばかり批判していても仕方がない。
やるべきこととしては与えられた環境の中で自身の生産性を最大化することである。
そして学ぶべきことは、データをいかに分析するか、多方面から比較し自分の本来の相対的な位置をいかにして知るか、そしてそこからどういう計画を立てるかである。
自分のプランニングもできなければ国も当然危ういままに思う。