[概要]
本を読むにあたっての姿勢や考え方を知れる本。
ただ活字を追って理解した気になるよりも、どうせならいろんな本の著者を頭の中に住まわせるくらい理解をしたいと思う。
テクニックではなくあくまでも心の姿勢の話。
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[感想]
出来る限り、若い年齢で読む機会をもった方がいいと思う本であった。
気になることとすれば、自分の読んだ本の内容の正しさをどこまで突き詰められるかである。
つまり、一度や二度あるいは何度もその本を読んで、いかにその本の著者の考え方を正しく把握するのか、それが正しいと説明しきるようにするのかである。
書いてある通り、偏見を持って読むとそもそもの内容を受け止めきれないとは思う。それは同時に偏見がなければ解決するのかというわけでもない。書いてあるように背景や意図を把握していかなければ正しくは読めないだろう。
しかし把握しきっていたとしていても、それで正しいのかの証明が難しい。
この話を続けていくと悪魔の証明になるであろう。
ただそれでも、どこまで考えを突き詰めれば、「もっともらしく正しく読んだか」になるかを知りたいと思う。
そこの判定が一番難しいのではないか。
そのためには著者を多く頭に住まわせる必要があるのだろう。
一つのことを真に理解する道のりは決して容易くないのかもしれない。
実は多くの著者たちも言葉にできない中途半端な思考を後世に丸投げしているのかもしれない。
もっともらしく誰もが納得する形を作り出すのが難しいのが人文学の醍醐味なのだろう。
私も論文や英訳をするにあたって、前々から短文にすることでその文の意味を明確にして伝えようとしている。
その考え方が本の内容からは肯定されていて、さらに気を付けて文を書くようにしようと思った。
しかしさすがにこの本の中では句点を打ちすぎな印象を受けた。句点が多く、テンポよく理解しながら読めるという短文で書くメリットを殺しているように感じた。