技術経営卒の書庫

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マネー敗戦

[概要]

日米の通貨競争や日本が米国債を押し付けられているさまなど、アメリカの経済政策の都合のいいように振り回されてきているさまを描いた一冊。

アメリカの経済成長を下支えしたのは、日本が米国債を購入したためかもしれない。

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[感想]

アメリカの経済がうまくいっているのは、日本がアメリカの都合のいいように振り回されているからという論調に見える。

実際はどうなのかはわからないが、アメリカの国債を日本が負担して、その結果としてアメリカの投融資が活発になったのだとしたら、アメリカの好景気は日本のおかげかもしれない。

adtgayahmd.hatenablog.com

そもそも知らないので、国際収支の発展段階説というのがどれほど正しいものなのかが気になった。

この理論が正しいかどうかは別として、ほしい時にほしいところからお金を調達できるような仕組み、またはその逆で不要な時は押し付けられる仕組みを整えられる強国であることが大事であるように思えてしまった。

 

通貨圏をまとめる構想を最後に話していたが、これはいかがなものか。

物価も違うし、金融政策財務政策も違う中で成り立つのか。

中国は自国の支配下に置くためにこのような政策を取りたがるかもしれないが、日本の今の空気の中でそういったことを行うのは無理だろうし、そもそも経済的な効果がどれほどあるのかと思ってしまう。

 

現在は1ドルが150円台の円安であるが、これはどれほど悪いことなのだろうか。

この本を読んでいると、悪いのは円安円高ではなく、それをコントロールできないことが一番負担がかかるように思える。

個人的には、自国通貨安のほうが一見良い状態であるようにさえ見えた。

米国債や米ドルを国が持っているのであれば、為替差益を国内に還元すればそれで一定潤うように思う。

為替差益を消費税減税などに使えば、少しは庶民の負担が減るだろう。

アメリカにまだ振り回されているのかもしれないが、国益が何になるのかを考えて動けなければ、敗戦し続けたままである。

adtgayahmd.hatenablog.com

現在の世の中は、世界中場所を問わず儲けの期待値が高いところにお金が回る仕組みになっている。

国内の金利を下げたところで海外にお金が流出しかねない。

何をもって最適とするのかは難しいが、海外の工場を日本に引き戻すなどして、少しでも国内でお金が回るようにしてほしい。