[概要]
約10年前の日本の電子マネー事情を中心に世界各国の電子マネー事情をまとめた本。
当時ですら日本の電子マネーの普及は世界と比べるとまだ甘いところがあったと感じられる。
一方で電子マネーの可能性もさまざまにあり、当時から新たな市場であったことが伺える。
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[感想]
内容は良かったが、情報が古くなってしまっている。
それは仕方がないことではあるが、それでも楽しめた。
韓国の強引な電子マネーの進展の方法は面白かった。
レシートにくじをつけることで電子マネーの普及を促している。
数年たってカード破産の問題が韓国で起きるのだが、方法論として電子マネーに移行する十分なインセンティブがあるように思う。
日本でもマイナンバーの普及のために、換金性のあるポイントを付けようとしている。
韓国の場合は消費の一環として、くじをつけることで電子化を図った。
日本のマイナンバーの場合はどうだろうか。
目先の利益のためにどれほどの人がマイナンバーカードを作るのかが不明である。
個人的には免許証と健康保険証、年金手帳の3つの機能がつき、自宅から住民票を印刷できるようになれば十分にカードを作る動機づけになると思っている。
そこまで社会インフラを集約するとどうしてもセキュリティ対策を言う人が増えるのが難しいところである。
同様にポイントや地域振興券などをどこまで、貨幣として考えるのかの線引きも重要である。
ビットコインなどがある現在、お金の価値は昔のままではなくなってくるかもしれない。
その場合にポイントという政府ではなく企業が担保する価値、仮想通貨というどの政府も担保しない価値に対する考えかたは変わっていくだろう。