[概要]
全3部作あるうちの第2巻。
LTCMという、ノーベル賞受賞者などの選りすぐりの知識人を集めたファンドの設立までとその倒産までを中心にまとめている。
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[感想]
前作に引き続いて金融について説明している。
取材当時有名で勢いがあったLTCMを中心に、なぜ彼らがノーベル賞を取ったのか、オプション取引の算定がどれだけ経済的に価値があったのかをまとめている。
人間の欲はどこまでも深く、この数年後にはコロナショックという予知していないような大きな下落があり、そうでなくてもモーゲージローンをもとに始まるリーマンショックが起きている。
どこまで行っても予測というものは難しい。
もしくは予測というものに胡坐をかかず、絶えず社会の変化を読み取ってポジションをとるべきなのかもしれない。
現在はリスクをとる形でインデックスファンドにお金さえ預ければよい。というような話を時々聞く。
確かにそうかもしれない。
今回の内容でもあったようにリスクを避けるためには複数の卵はそれぞれ違うところに置く。
ただ実際に大きな金融危機を見ているとそこまで単純な話ではない。
現金であれ債券であれ、常に何かしらのリスクを持っている。
今後も金融工学は新たな発見を繰り返していくのだろうが、リスクがない以上リターンがないという事を考えると、簡単なことを永遠に難しくかき混ぜていっているだけなのかもしれない。