[概要]
ニンテンドウの日米での活動をゲーム&ウォッチなどの初期から3DS発売まで歴史を追いながらまとめたもの。
情報源はネット情報が多いとのことであり、一部の年表や発言に裏どりが甘い面もあると思うが、文化的背景やおおまかな経緯を知れたのは良かった。
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[感想]
アメリカでの歴史よりも日本での歴史や、マリオの生みの親である宮本茂、社長の山内溥がどういう判断をしたのかを中心に書かれていた印象であった。
個人的にはイチローをマリナーズに入団させるように山内が株主として唯一の権限を使ったという話、それに合わせてイチロー主演のゲームキューブのCMを作ったという話なども聞きたかった。
そういった話は会社の歴史ではなく、伝記的になるのでここでは省いたのかもしれない。
最強の法務部といわれる所以となったドンキーコングの訴訟や弁護士カービィの話も詳細に読むことが出来てよかった。
非常に痛快な文章でありもっと詳細な内容を読みたくなった。
ゲームボーイからニンテンドーと共に育ってきた人間としては、ここであの内容が、こういう形でつながるのかという事にワクワクした。
また今スーパーマリオオデッセイで歌を歌うポリーンの由来など興味深いことは多い。
枯れた技術の水平思考という話はニンテンドウを技術的に解き明かそうとするときによく聞く話である。
結局大事なのは最新技術ではなく、今あるものからでも工夫をすれば解決策はあるというところである。
技術経営に重要な思考である。
また最近USJにマリオワールドが完成した。
キャラクターで稼ぐ商売もゲームの枠を超えて、エンタメすべてを提供するようになっている。
最後に山内社長の時代は決して壊れない製品は作らないようにしていた。
一方で現在ニンテンドースイッチのジョイコン問題が海外で大々的に訴訟になっている。
偶然の悪さを多くの顧客が引き続けたのか、山内時代の心は失われてしまったのかというところが気になる。
修理の際のシールの張替え等、細かな気遣いをで有名だからこそ、そうはあってほしくない。