[概要]
事業を行う上でのリスクをいかに機会に転換するのかをを考える経営戦略の本。
各ストーリーの後に、それぞれどういった点に気を付けるべきかという項目が箇条書きされている。
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[感想]
7つの危機、7つの機会と聞いて最初に思い浮かんだのがドラッカーであった。
この本の内容としても最初はプロジェクト単位の起こりうるリスクから徐々に産業構造全体への起こりうるリスクに話が広がっていく。
つまり後半につれてリスクに対する不確実な要素が増すことになる。
逆を言えば自分の事業のリスクをプロジェクト単位まで絞り込むことが出来れば、リスク低減につながるという事になる。
もしかしたらこの順番は、実行の難しさを表しているのかもしれない。
この本で最初に目が留まったのが、組織図を球体と考えたことである。
組織図としては、上意下達であったりネットワーク型であったりという話はよく聞くが球体のように中心的な情報から誰もが等距離に位置することが出来れば、多くのコミュニケーションの問題が解決するように感じた。
方法論としてはどうなるのかは分からないが、球的な組織図というのは新しい考えのように感じた。
また顧客リスクの代表例として、いわゆるイノベーションのジレンマについてまとめてあった。
このように需要が変化し大量の顧客を奪われるリスクは経営者にとってかなりの恐怖であると思う。
対処法としてダブルベッドが提案されていた。両方に投資すれば損失を減らすことが出来る。
ここで大事になってくるのは、経営者の目利きである。
itunes とiPodと配信される音楽を、いわゆる髭剃りと替え刃ビジネスと称していたのは新たな気付きであった。
音楽とそのプラットフォームの部分だけでそういったビジネスを展開してると考えっていたが、プラットフォームとiPod本体でも、本体と音楽でも成り立つ替え刃ビジネスモデルのような気がする。
こういったものをまさしくエコシステムというのであろう。