「理工系離れ」が経済力を奪う
[概要]
著者の過ごしてきた1960年代から2000年代までの間の理工系の葛藤が書かれている本。
エッセイ的であり、大学内の事情についても事細かに書かれているのが面白い。
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[感想]
過ごしてきた時代が違うので、著者の意見にすぐに同調することは出来ない。
しかしそれでもエッセイの一つとして受け止めれば、なかなか面白かった。
全体を通して書いてあった印象は、これまでいかに理系人材が文系人材に食われてきたのかということである。
技術開発よりもそれを売る人のほうが儲けていた現状がそこにはあった。
思うに今後求められる人材というのは、技術ばかりでなくそれをいかに市場に出すのかを考えられる人材であるように思う。
家電などはすでに市場が飽和している。
今後ますます、技術を売り物にするのが難しくなるだろう。
技術を知り、それをいかに売り出すかを考えることが出来れば日本がかつての勢いを取り戻すことが出来るのかもしれない。
理工系離れではなく、理工系であり経済も知っている人材をいかに生み出すのかが重要である。