[概要]
今後エネルギー業界に起こるイノベーションについて、技術面とそれらの技術を用いてどういった企業がどんな動きをしているかということがまとめてある本。
資金元など、どういうアライアンスであるかも把握できるため、エネルギー業界の金・モノ・技術を押し並べて理解できる一冊。
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[感想]
この本も私の大学院での研究に使えるかと思い、購入したものである。
概要に書いてある通り、どういった技術がどういった用途でどんな企業によって使われているかが、広くまとめてある。
海外の企業がかなりの数登場し、それらがどういう取り組みをどこと手を組み行っているかが包括的に理解できた。
海外では早くから電力小売りの自由化が進んでいたために、このような動きが活発にみられているが、日本ではまだあまり見られていない現象である。
今後海外のように日本のエネルギー業界も新たなテクノロジーを駆使してこれまでにないサービスを提供してくるのかもしれない。
今のところは、電力販売には価格競争しか起きていないが、総括原価方式の終わる2020年からはサービス競争が進展していくだろう。
総括原価方式が撤廃されると体力のある大手電力会社のほうが有利であろう。その中で新電力が生き残るには、サービス競争などの値段以外の付加価値について考える必要がある。
適者生存というが、サービス競争の段階になれば多くの企業は撤退するかもしれない。しかしそれにより新たなサービスの芽が育つのならそれは重要なことである。
海外ではすでにその段階にきているが、日本はこれからである。
今後の日本のエネルギー業界について考えるのであれば、このような海外の事例を知ることは大変勉強になるように思った。
またアライアンスまで含めて考えると、各社の取り組みを想像することが出来る。
日本でも東京電力をはじめとして、ベンチャー企業などに出資をし新たな芽を育てているが、この中でどういったものがどういった背景で生き残ルカに非常に興味がある。
ビルド&スクラップの中で、既得権益が潰えて、新たな価値が社会に生まれることを祈っている。